駅前・野外道路

兵庫県姫路駅北駅前広場

日本の伝統文化と最先端技術を融合して
世界文化遺産へいざなう灯りに。

姫路市民と行政、専門家が連携して進められたJR姫路駅北駅前広場整備プロジェクト。「城を望み、時を感じ、人が交流するおもてなしの広場」をコンセプトに、日本の伝統と最先端技術を融合して市民のくつろぎと、世界文化遺産の姫路城を訪れる人へのおもてなし空間を目指しています。山田照明は、このプロジェクトに広く関わり器具開発の技術協力を行いました。

事業主 :姫路市
デザイン監修 :姫路駅北駅前広場整備等デザイン会議
景観デザイン・建築 :小林正美 明治大学教授
景観デザイン・土木 :小野寺康都市設計事務所
環境・照明デザイン :ナグモデザイン事務所
設計 :株式会社 復建エンジニヤリング
:株式会社 日建設計
:株式会社 日建設計シビル
地下広場整備(キャッスルガーデン・中央地下通路)
施工 :大林組・宮本組・山陽建設JV
電気設備 :西部電気建設株式会社
キャッスルビュー(眺望デッキ)・連絡デッキ
施工 :飛島建設・平錦建設JV
電気設備 :大拓電気株式会社
駅前広場整備および大手前通り改修
施工 :ノバック・阿比野建設JV
(駅前広場東工区・中工区)
電気設備 :西部電気建設株式会社
施工 :平錦建設株式会社(駅前広場西工区)
電気設備 :大拓電気株式会社

駅と姫路城をつなぐ大手前通りの街路灯を、姫路の伝統、和釘のカタチで。

大手前通りの写真

このプロジェクトでは、一つひとつを姫路らしい和の伝統にこだわったフォルムと素材で組み立てることで、姫路の風景と調和した人にやさしい空間をつくりあげるという思いが貫かれています。山田照明は眺望デッキ(キャッスルビュー)、地下広場(キャッスルガーデン)、連絡デッキなどを含めた駅前広場全体と、姫路城へと続くメイン道路(大手前通り)に関わりましたが、とりわけこのプロジェクトらしいのは、大手前通りの広い歩道と車道を照らす街路灯です。古くから鉄加工技術が名高く、その由来ともなる姫路城の築城にも用いられた「和釘」をモチーフとしてデザインされた街路灯は、釘の頂部の小さな突起のみを光源として合計で50m以上の幅員の車道と歩道を、まぶしさのない光で、ムラなく明るく照らすという背反した条件へのチャレンジでした。

配光分布図

配光分布図

姫路城へのメインアプローチは、人と車がお互いに干渉せず、心地よく安全な往来ができるよう、歩道も車道も約16mの幅員を確保した広々とした大通り。歩道と車道の境目から約2.5m歩道側に入った場所に、約28mおきに立つ街路灯は、その根元から最大約20m先の車道までを均一に照らす必要があります。
駅と姫路城をつなぐ夜の大手前通りの写真

駅と姫路城をつなぐ大手前通り

今回の工事は、写真中央の交差点より手前の姫路駅側。この写真からも、この交差点より向こう側と比べて、歩道・車道を均一に照らす明るさの差が明確です。また、交差点より向こう側は街路灯の光が点々と続くのと比べ、手前側の「和釘」の街路灯は運転手や歩行者にとってまぶしく見えないように配光がコントロールされています。

フラットな明るさを実現するためにLED一つひとつの配光をレンズでコントロール。

和釘頂部のスペースを最大限に活用してLEDを配置したの写真

和釘頂部のスペースを最大限に活用してLEDを配置。

歩道と車道を合わせて約50mの幅員の道路を均一に照らすため、和釘頂部の約210×450mmのスペースに、歩道側で28灯、車道側で42灯のLEDを配置。照らす場所に応じて各々個別に設定されたレンズで配光と向きをコントロールし、道路面のフラットな明るさを実現しています。

照度分布図

照度分布図

姫路城へのメインアプローチは、人と車がお互いに干渉せず、心地よく安全な往来ができるよう、歩道も車道も約16mの幅員を確保した広々とした大通り。歩道と車道の境目から約2.5m歩道側に入った場所に、約28mおきに立つ街路灯は、その根元から最大約20m先の車道までを均一に照らす必要があります。
キャッスルビュー

キャッスルビュー

連続する木ルーバーの小さなスポットライトの光に囲まれて立つポール照明は、松明をイメージしたフォルム。
ペデストリアンデッキ

ペデストリアンデッキ

2階のキャッスルビュー(眺望デッキ)から大きな円弧を描いて駅前広場へ伸びるペデストリアンデッキ。
キャッスルガーデン

キャッスルガーデン

駅ビルの地下階に広がるキャッスルガーデンは市民が集う憩いの広場。屋外でも間接照明を基本とした照明で、おだやかな空間に。